本事業では、全国の大学等でアントレ教育が実践できる環境を構築するために、今般、暫定的なアントレ教育ガイドとして日本版EntreComp v1ならびにそれに付随するガイドを作成しました。
日本版EntreComp v1およびそのガイドは、各教職員が行うアントレプレナーシップ教育の内容を制約するものではありません。
各教職員が最新のアントレプレナーシップ教育の研究を参照しながら、日本版 EntreComp v1を超えて教育に工夫することを推奨しています。詳細は、以下でご確認ください。
アントレコンプとはEUが2016年に定めたEntreComp(Entrepreneurial Competence)という数多くのコンピテンシー(資質・能力)を取り上げ、初等教育から高等教育までをカバーする、アントレプレナーシップ教育の包括的な見取り図です。
日本版 EntreComp は、長年アントレプレナーシップ教育に関わってきた教員複数名が議論を行い、EU版 EntreComp の『アイデアと機会』『資源』『行動』という3つのコンピテンシーエリアの中から、特に重要だと考えるコア・コンピテンシーを1つずつ取り上げたうえで、そのコア・コンピテンシーを細分化して、3個の『コア・コンピテンシー』と10個の『コア・スキル』(EU版 EntreComp では『スレッド』に該当)に整理しています。
※この日本版 EntreComp v1、ならびにそれに付随するガイドは、今後数年以内に刷新をする前提で作られています。
コア・コンピテンシー | コア・スキル |
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機会の発見 |
① 問いを立てる
② 情報を探索する
③ アイデアを作る
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資源の動員 |
④ 今ある資源を認識する
⑤ 今ある資源を活用する
⑥ 足りない資源を獲得する
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不確実性、曖昧さ、リスクへの対処 |
⑦ 不確実性、曖昧さ、リスクを見極める
⑧ 試してみる
⑨ 意思決定をする
⑩ 学びを得る
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初めてアントレプレナーシップ教育のコースデザインやクラスデザインをするとき、どのスキルを伸ばしたいかを意識しながら設計してみてください。(1つのコースですべてのスキルを伸ばす必要はありません。)
ご自身の教育活動が、特にどのスキルを対象として伸ばしているのかを整理したり、今後どのようなコースやクラスを設計していくかを考える材料として参考にしてください。
大学 | 担当教員 | 科目 | コアスキル ① 問いを立てる |
② 情報を探索する | ③ アイデアを作る | ④ 今ある資源を認識する | ⑤ 今ある資源を活用する | ⑥ 足りない資源を獲得する | ⑦ 不確実性、曖昧さ、リスクを見極める | ⑧ 試してみる | ⑨ 意思決定をする | ⑩ 学びを得る |
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桜美林大学 | 小林 美和 | ビジネス演習(会社経営I) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||
桜美林大学 | 小林 美和 | 民事紛争解決手続 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | |||
大阪国際大学 | 佐々木紀夫 | ベンチャービジネス論 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||||
開志専門大学 | 福田稔 | 事業計画策定総合実習 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||
神山まるごと高専 | 関戸大 | 起業家探究 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||
関西大学 | 岡田忠克 鍛島宗範 | 起業に学ぶ「考動力」実践(企業と考える未来のデザイン) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | |
埼玉大学 | 長嶺拓夫 | アントレプレナーシップ序論 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | |||||
奈良高専 | 須田敦 | システム設計論Ⅱ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||
北海道大学 | 椎名希美 | STARTUP HOKKAIDO連携講義 社会課題を読み解き 未来を生き抜くフューチャースキルを育てよう | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||||
北海道大学 | 白石瑛人 椎名希美 岩城圭司 | 未来をひらく種をまこう 大学生・次世代のためのアントレプレナーシップ教育 | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||||
北海道大学 | 椎名希美 | オリジナルノベルティ制作の実践で学ぶ商品開発とマーケティング | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |